こんにちは、ちゃぶ台です。
今回は レイジングループ というサウンドノベルゲームを紹介します。休水村という胡散臭い村に迷い込んだ主人公が、黄泉忌みの宴 という人狼ゲームを模した儀式に巻き込まれるサスペンスです。”死に戻り” の能力を手にした主人公が生き残りをかけて、黄泉忌みの宴、死に戻り等の謎を解き明かす超大作で、人狼ゲームやサスペンスが好きな人にはおすすめできる作品なので、気になった人は是非遊んでみてください!
本稿では、ゲーム内で定められている実況・動画投稿用のガイドラインで決められた範囲内で紹介を行います。ガイドライン外のネタバレはありませんのでご安心ください。
公式サイトも充実しているので、是非ご確認ください!こちらです。
それでは早速紹介していきます!

概要
タイトル | レイジングループ(Raging Loop) |
対応機種 | Steam, Nintendo Switch, PS4 |
価格 | 3,056円(Steam, Nintendo Switch, PS4) |
プレイ人数 | 1人 |
言語 | 日本語 / 英語 |
ジャンル | ホラーゲーム / ノベルゲーム |
開発元 / 発売元 | KEMCO / KEMCO |
一言 | 時間を忘れてエンディングまで駆け抜けてしまいました。 |
ストーリー
旅行者・房石陽明は、バイク旅行中に道に迷う。コンビニ店員の案内で集落への道を進むが、崖で転倒してしまう。そこに現れた芹沢千枝実の助けで藤良村(ふじよしむら)にある休水(やすみず)という集落に身を寄せるが、霧が発生して房石は謎の生物に殺されてしまう。しかし直後にはバイクで道に迷っているところに逆行していた。選択を変えてその場を生き延びた房石だったが、村の伝統であるおおかみ様をくくる為の「黄泉忌みの宴」に巻き込まれることになる。
こんなゲーム
フルボイス形式のサウンドノベルゲームで、主人公の大学院生、房石陽明の視点で物語は進みます。ひょんなことから訪れた休水村(やすみずむら)で行われる殺人儀式「黄泉忌みの宴」を生き残り、村から脱出することが目的となります。会話の途中で選択肢が発生し、選択した選択肢に応じてシナリオが分岐します。
現代の日本が舞台ですが、休水村は前時代的・閉鎖的な地域でインターネットはおろか、テレビや電話などのテクノロジーは殆ど登場しません。休水村の住人はみんな根はいい人ばかりですが、非常に閉鎖的で、外部から来た主人公を邪険に扱います。主人公は住人達との信頼関係を築きながら、村の探索を行います。

休水村には “おおかみ” 信仰が現在も強く根付いており、奇妙なしきたりや言い伝えが受け継がれています。みんなどこか異質な考えを持っており、主人公は恐怖を感じながらも脱出の準備を進めます。


主人公が村を去ろうとしていた矢先に村全体が霧に覆われます。主人公は、霧が立つと村からの脱出ができなくなる事、黄泉忌みの宴が始まることを老人達から告げられます。黄泉忌みの宴では住人達の中に人狼が紛れ込んでおり、毎晩人間の誰かが犠牲になるため、人間に紛れたオオカミを探し出して “くくる(処刑する)” のだといいます。最初は他の住人や主人公達も半信半疑でしたが、死人が出てしまったことを皮切りに、生き残るためにオオカミを特定することとなります。

本作は名前の通り、ループものです。主人公は死んでしまった場合、記憶を保持したまま、物語の開始時点に”死に戻り”します。”死に戻り” により死ぬ前に得た知識や別の選択肢を選んで得た知識は “鍵” として管理されます。鍵を用いて、同じ時系列上で今まで思いもよらなかった新しい選択肢の行動を試すことができるようになります。


各選択肢はフローチャート形式で管理され、シナリオの分岐や、選択肢のアンロックに必要な鍵の番号を確認することができます。また、ゲーム中はフローチャートを用いていつでも選択肢(の時系列)に戻ってくることができます。

ロックされている選択肢を解放するためのカギの番号なども確認することができます。
(バッド)エンディングを迎えた後は、マスコットキャラクターのひつじさんから攻略のヒント(次に向かうチャプターや鍵の使いどころ)を教えてくれます。UI やコンフィグ、ゲームの説明といった観点でも非常に丁寧に作られていました。

トゥルーエンドまではじっくり進めて20時間前後と大ボリュームでした。クリア後も、後日談のシナリオ等が用意されているため、30時間程度は楽しむことができます。(私はボイスをスキップしながら進めましたが、しっかりと聞きながら進めた場合、40~50時間程要するかもしれません。)
おすすめポイント
・人狼ゲームを題材とした本格サスペンス
名前は 黄泉忌みの宴 ですが、内容はまさに人狼ゲームそのものです。人狼ゲーム同様、手探りでの探り合い、白熱する議論や騙し合い、徐々に謎が解き明かされていく過程が非常に面白いです。宴開始時点では殆ど情報はありませんが、下記のような人狼ゲームでお馴染みの役職が人間に与えられ、これらの情報を基に人狼の特定を行います。
1. ヘビ(占い師)・・・毎晩指定した1人がオオカミかどうか判別を行う事ができる 2. カラス(霊媒師)・・・前日の昼にくくった(処刑した)人がオオカミであったか判別できる 3. クモ(狩人)・・・夜のオオカミの攻撃から1人だけ守ることができる 4. サル(双子)・・・2人1組の役職。互いに相方が分かるため、人間であることの証明ができる
主人公は頭が切れるタイプの人間で、ブラフで情報を引き出したり、非人道的な方法で相手を言いくるめたりと、あの手この手で情報を引き出していきます。住人達の行動も必然的に人狼ゲームのセオリーに近しい行動となるのですが、人狼側も、生き残りのために役職持ちを騙ったり、番外戦術で人間同士を対立させたりと一筋縄ではいきません。
普段楽しく遊んでいる人狼ゲームですが、実際に渦中の人間になり、命がけの駆け引きを行う緊張感や不安はたまらないものがありますし、誰を支持するか・疑うかといった決断次第で無事に夜を超すことができるかどうかが変わってくるので、1つ1つの選択肢の重みがあります。次々とイレギュラーが発生し、謎が謎を呼ぶ展開が続くので、クリックする指が止まらなくなるほど物語に惹き込まれました。
・練りに練られた設定
初日からハイペースで物語が進み、怒涛の展開が続きます。住人達の行動には怪しげ・不可解なものが沢山ありますが、全て意図があり最後には綺麗に解き明かされます。各キャラクターのバックボーンもしっかり設定されており、一通り読み終えた後から振り返っても、全体を通して不可解な行動やそれぞれのキャラクターらしくない行動もありませんでした。
また、人狼の正体や休水村や黄泉忌みの宴の起源、物語の黒幕や死に戻りの原因についても綺麗に解き明かされます。ネタバレ回避の為ここでは詳しく語りませんが、村や神話の成り立ちの設定には舌を巻いてしまいました。
このゲームに向いている人・向いていない人
こんな人におすすめ
・人狼ゲームが好きな人
・サスペンス、ミステリ系の小説が好きな人
人狼ゲーム・サスペンス系・ミステリ系のサウンドノベル作品としてはダントツで面白いと思います。とにかくシナリオが面白いので、気になった人は是非冒頭のプレイ動画などを確認することをおすすめします。
一方で、以下の人にはおすすめできないです。
・オカルト要素や非現実的な要素、癖の強いノリが得意ではない人
・プレイヤーの介入性を求める人
設定自体は非常に良く練られていますが、オカルト・非現実的な内容やはっちゃけた大学生のような軽いノリが散見するため人を選ぶと思います。相応な価格なので、スマホ版で無料部分を遊ぶか動画を軽く眺めてから購入することをおすすめします。
選択肢に悩むことはあれど基本的にはほとんどの選択肢を踏むこととなります。死ぬことで次の道が拓けることも多く、選択肢を片っ端から試すようなゲーム性となります。あくまでも全ての選択肢を試すことが前提の一本道のノベルゲームといった印象なのでゲーム性を求めて遊ぶには向いていないと思います。
ここに注意!
NPC を相手に人狼ゲームで遊ぶ作品ではないのでご注意ください。
グロテスクな表現はありますが、直接的なイラストは出てきません。また、設定からグロテスクな描写をオフにすることもできるので、その点はご安心ください。
初回は “どうせ死ぬ” と思わずに、生き残ることを目的として選択肢を選ぶことをおすすめします。没入感が段違いです。
類似のゲーム
グノーシア・・・人狼ゲームを模した作品。NPCと人狼ゲームする作品。
うみねこのなく頃に・・・魔法と連続殺人事件を題材としたノベルゲーム。
総括
人狼ゲームを題材としたサスペンスサウンドノベルゲームです。全体を通してシナリオのクオリティが高く、気づけばストーリーの虜にされて最後まで駆け抜けてしまった作品でした。人狼ゲーム・サスペンス・ミステリ系の作品が好きな人には非常におすすめできる作品ですが、20時間以上のボリュームを誇り、人を選ぶような要素もあるので、動画で序盤シーンを確認したうえでプレイすることをおすすめします!
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