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Narita Boy 電子の海を渡る蒼きヒーロー【レビュー】

ゲームレビュー
ゲームレビュー

こんにちは、ちゃぶ台です。

今回は Narita Boy という 2D アクションゲームの紹介を行います。1980年代にコンピューターが世間に広まり始めた当時の雰囲気を完全に再現しており、テクノなサウンドや輝かしく精巧なドットから構成された作品です。全体的なストーリーやゲームシステムもユニークで、当時の雰囲気を振り返りたい人も、当時、まだ生まれていなかった人も楽しむことができる作品だと思うので気になった人は覗いてみてください。

それでは早速紹介していきます。

概要

タイトルNarita Boy
対応機種Steam, PS4, Nintendo Switch
価格2,530円(PS4)2,570円(Switch)
プレイ人数1人
言語日本語対応
ジャンル2D アクション
開発元 / 発売元Studio Koba / Team17
一言「俺は Narita Boy だけど、君は?」

ストーリー

そこには、世界中が熱狂する1本のゲームが存在していた。
稀代の天才クリエイターが作り出した「ナリタ・ボーイ」だ!
テクノソードを手にしてスタイリッシュに飛び回り、これまでにないファンタジックな冒険を体験できる最高傑作として記録的な大ヒット!多くのゲーマーたちが時間を忘れるほど楽しんでいた。
しかし、そのソースコード内部「デジタルキングダム」では、現実世界を蝕むような大きな異変が起きつつあった…。「ナリタ・ボーイ」を生み出したクリエイターの記憶が抹消され、すべてを支配しようとする「HIM」が復活したのだ!
恐ろしい脅威に立ち向かうため、デジタルキングダムの監視プログラム「マザーボード」とエージェントたちは「ナリタボーイ・プロトコル」を起動した。
そう、キミが本物の《ナリタ・ボーイ》となって世界を救うのだ!

Nintendo Store より抜粋

こんなゲーム

ゲームを開始すると 「ナリタァァァ(↓)ボォォゥイ(↑)」というやけにテンションの高い掛け声と共にゲームが始まります。主人公は世界中で流行っている “Narita Boy” のゲームにハマった1人の少年です。お母さんに長時間のプレイを怒られて、渋々電源を落としたにも拘わらず、ゲーム画面が光り始め、突如、彼はゲームの世界に吸い込まれてしまいます。気づけば少年は Narita Boy 本人となっており、暴走した “HIM” に立ち向かうように依頼されます。

親に隠れてこっそり夜中にゲームするのはあるあるですね、
ゲーム内で自我を持つAI、MOTHERBOARDから世界を救うように依頼される。

内容はサイドビュー形式の 2D アクションです。基本操作は移動・回避・剣での攻撃・ジャンプ・遠距離攻撃・必殺技です。基本的には通常のアクションゲームのように、敵を倒したり、謎を解いたり、新しく入手したアクションでマップを探索してストーリーを進めていきます。

沢山の敵が待ち受けている

通常攻撃はテクノソードという剣で敵を斬りつけます。敵を攻撃すると SP ゲージが溜まり、SP ゲージを消費して必殺技を放ったり、自身の体力を回復したりすることができます。また、時間経過で貯まるゲージを消費して遠距離攻撃のレーザーで攻撃することもできます。

回復中は硬直が発生するので注意。

また、本作ではゲームの進行と共に使用できるアクションが増えていきます。剣での攻撃も方向キーとの組み合わせで敵を上方向に斬り上げたり、突進での攻撃を繰り出したり、状況や敵の弱点に併せて自在に攻撃することができます。道中で入手した追加アクションはメニュー画面からコマンドを確認できます。あまり複雑なコマンドはありませんが、チュートリアルも確認できるため、困ったら覗いてみましょう。

めっきりフロッピーディスクも見なくなりましたね。

敵とのバトルの他は、依頼されたお使いをこなすこと、謎を解くことが多いです。
謎解き要素としては3色のシンボルを一致させて起動するギミックがメインです。各シンボルは背景や一見、無関係に見えるオブジェクトが出すエフェクト等に隠れているので、注意深く観察し、見つけ出して覚えておく必要があります。

3色のマークを正確に選んで初めて起動できる。

ゲームの目的は、残滓となって各地に散らばったクリエイターの記憶のバックアップを集めることとなります。ゲームの進行と共に、少しずつクリエイターの記憶を解き明かされ、HIM やクリエイターの生い立ちや秘密を確認することができます。それぞれの記憶は概要を辿る程度でかなり短めですが、中々強烈な展開が多く、読んでいて次の展開や現在への繋がり方についての妄想を掻き立てられる、面白い内容となっていました。

記憶は全部で13個。記憶を取り戻して HIM に対抗する手段を聞き出そう。
クリエイターの成長していく過程を幼少時代から追いかける。何故か日本生まれ、日本育ち。
Narita は ナリタブライアン から来ているとのこと。

プレイヤーの目的はいつでもメニュー画面から確認可能です。何をするべきか、どこに行くべきかを見失いがちなので、困ったらとりあえず確認しましょう。

時にはボスとしてドラゴンや巨大な敵が襲い掛かってきます。全体的に難易度はやや高めですが、残機の概念はなく、オートセーブで死んでしまっても直前からやり直せるので、何度もトライして敵の攻撃パターンを覚えて対処しましょう。

ごり押しは厳しいので回避を優先!

また、ストーリーが進むにつれて変身したり、乗り物に乗って先に進むことも出てきます。時には変身したまま大型の敵と戦ったり、雑魚敵を蹴散らしたりすることもあります。専用のアクションやミニゲーム、イベント戦なども豊富で、プレイヤーを飽きさせないような造りに仕上がっています。

馬に乗って敵を蹴散らすミニゲーム。
フロッピーディスクに乗って電子の海を渡る。

ストーリーはほぼ一本道でエンディングまで、8 – 10 時間程度です。いくつかおまけのミッションや隠しボスが用意されていますが、これらを踏まえてもボリュームは少ないと感じました。

おすすめポイント

・非常にユニークな作風

本作は 1980 年代のゲームや映画等の雰囲気をモチーフとしています。テクノなサウンドがこれでもかと流れ、ネオンをイメージさせる光の主張が強いこと強いこと。PC 用語がふんだんに出現し、コンピューターカルチャーを全面的に取り込んだ作風で、「よくわからないけど格好いい!」感じの作品に仕上がっていますw

設定次第ではブラウン管の色合いを再現できる

一方でゲーム性については、今風になっていて遊びやすいです。難易度は高めですが、操作性、リトライ性は良好です。アニメーションも非常にスムーズで日本語の翻訳や UI 周りの設計も完璧なので、殆どストレスは感じません。


ストーリーについても普通の少年が特別な力を与えられて、世界を救うために奮闘するというややありがちな一本道のシナリオですが、記憶を集めて徐々に明かされていくシステムが面白いです。主人公の少年が Narita boy に選ばれた経緯や、HIM が脅威となった原因、ゲーム内で至る所で目にする「中」のマークの意味等、様々なことが前日譚が語られます。前半はややストーリーと関係がない話が続きますが、後半は怒涛のように物語が進展してくるので惹き込まれました。

このゲームに向いている人・向いていない人

こんな人におすすめ

・ユニークなゲームが好きな人
レトロな雰囲気が好きな人

記載の通り、ゲーム内の雰囲気や記憶を追体験する部分が面白い作品です。
1980年代に懐古したい方やストーリー、ビジュアルに惹かれた方、特徴的なゲームシステムを楽しみたい人にはお勧めできる作品だと思います。勿論、当時生まれていなかった人も、レトロな雰囲気を味わいたい人には十分楽しめる作品だと思います。

一方で、以下の人にはおすすめできないです

・コスパ重視の人
単純にアクション要素を楽しみたい人
・自由なゲーム性を求める人

クオリティはかなり高いですが、ボリュームはかなり短めでコスパはかなり悪いように思います。また、ストーリーは暴走する HIM を止めるため、消されてしまったクリエイターの記憶のバックアップを集めるというお話ですが、全体的に専門用語が頻出し、小難しい話が多く広げられます。文章を流し読みしているとストーリーを把握しきれないかもしれないので、要注意です。アクション自体もかなりシンプルなので、アクションゲームを目当てとして買うとやや拍子抜けしてしまうかもしれません。

世界観の設定もよく練られていますが、日本語への落とし込みも凝っていると感じましたw

ここに注意!

ゲーム内で激しい点滅が発生する場合があるため、強い光に弱い方はプレイを控えることを推奨します。また、登ったり捕まることができる壁は点滅するのですが、背景の光の方が主張が強く見落としがちです。道に迷ったら進める足場や壁がないかよく確認することをお勧めします。

また、全体的にマップがやや複雑で地図などの要素が無いため、訪れた場所や他のマップとの繋がりを覚えておく必要がある点がかなり厄介でした。

ネタバレを気にしない人はここをクリック
本作、ストーリーは完結しておらず、いい感じの所でいきなりエンディングに突入します。 “To Be Continued…” 的な終わり方で、続きは続編を待つ必要があるため、拍子抜けしてしまうかもしれません。予めご注意ください。

類似のゲーム

調査中。見つけたら追記します。

総括

テクノ感満載のサイドビュー形式の 2D アクションです。ゲームの世界の中で Narita Boy というヒーローとなり、現実世界を蝕む HIM を止めるべく、クリエイターの記憶を集めます。ややボリュームが少なく、ほぼ一本道で自由度は無いのは欠点ですが、クリエイターの記憶を集めるというゲーム性と独特なシナリオ、煌びやかなドット絵、テクノサウンドや80年代の PC 黎明期の雰囲気が特徴的で面白い作品なので気になった人は是非遊んでみてください!

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