こんにちは、ちゃぶ台です。
今回は Loop Hero というローグライク × RPG の紹介を行います。地形を配置したり装備を変更して、自動で探索・戦闘を行う主人公を強化するシミュレーションです。一言で表すとやや味気が無いですが、プレイヤーの判断によりその後の展開が大きく変わり、戦略性・中毒性に満ちた作品なので、気になった人は是非遊んでみてください。
それでは早速紹介してきます!
概要
タイトル | Loop Hero |
対応機種 | Steam Nintendo Switch |
価格 | 1,520円 |
プレイ人数 | 1人 |
言語 | 日本語対応 |
ジャンル | ローグライク・RPG |
開発元 / 発売元 | Four Quarters / Devolver Digital |
一言 | 久しぶりに紹介が難しいシリーズが来ましたね。 |
ストーリー
死神が無限のループへと世界を投げ入れ、命あったものは終わることのない混沌へと落ちていった。
(Steam Storeより抜粋)
探索と建築を繰り返し、無限のループからの脱出を目指しましょう。
こんなゲーム
ローグライク形式の RPG で、プレイヤーは4つのチャプターでボス倒すことを目標とします。本作は建築パートと探索パートの2つから構成され、探索パートで稼いだ素材を使って建築パートで建物や物資の作成を行い、探索パートをより有利に進めます。
■探索パート
それぞれのパートについて簡単に紹介します。
本作のメインパートになります。プレイヤーは選択したデッキ・クラス(ジョブ)でダンジョンに挑みます。ローグライクなので各ステージでのプレイは独立しており、主人公は毎回最弱の状態からゲームがスタートします。
ダンジョンは一本道の一周する道のみが自動生成されます。ゲームが開始されると主人公は一本道を自動的に歩き出します。時間が経過することで敵が出現し、敵と主人公がエンカウントすると戦闘が始まります。戦闘は素早さや攻撃力などに応じてフルオートで行われます。戦闘に負けて体力が 0 となると建設パートに移行し、勝利するとまた歩き始めます。戦闘を終えても体力は回復しませんが、1周してキャンプに戻ってくると体力を大きく回復します。また、キャンプを跨ぐ毎にループ回数が増えて敵のパラメータとドロップする装備のレアリティが上昇します。
プレイヤーは下記の2つを行います。主人公は自動で歩き続け・敵にエンカウントすると戦闘が始まりますが、この2つの操作ははいつでも一時停止して操作を行うことができます。
- デッキから獲得したカードを空きマスに配置する
- プレイヤーに新しい武器・防具を装備させる
◆1. デッキから獲得したカードを空きマスに配置する
敵を倒したり、宝箱を壊すことでデッキから地形や建物のカードを獲得することができます。カードは最大体力や攻撃速度を増加させるような配置するだけで効果を発揮するものと、時間経過で道に敵を出現させるなど、道や道に隣接したマスに配置することで効果を発揮するものなどが存在します。ボスを倒すためにはレベルを上げたり、ステータスの強化が必須となるので、カードを空きマスに配置して空きマスをどんどんと埋めていくこととなります。
◆2. プレイヤーに新しい武器・防具を装備させる
戦闘に勝利すると新しい装備を獲得することがあります。装備にはレベルがあり、ゲームが進むにつれてより高いレベルのアイテムが出現するようになります。装備は大量に手に入り、それぞれ性能が異なるので、常に乗り換えるか否かを吟味して、上位の装備が出現したら装備を変更する必要があります。
敵を倒すことで得られる経験値が一定量貯まり、レベルアップするとトレイトというパッシブスキルを獲得します。トレイトは攻撃力や防御力の増加、特定のタイミングで敵に大ダメージを与える、体力が 0 になっても1度だけ復活できる等、様々な効果を持ちます。非常に強力な効果ばかりなので、如何に経験値を稼いでトレイトを確保するかが重要な戦略となります。
探索パートのボスを倒すことと獲得した素材を持ち帰ることが目的となります。カードを配置したり敵を倒すことで木材や鉄といった素材を入手することができます。これらの素材は探索を切り上げて持ち帰ることで、はじめて獲得したこととなり、建設パートで使用することができます。
探索パートではボスの討伐の有無に関わらず、いつでも探索を切り上げることができます。探索を切り上げるタイミングによって、下記のように持ち帰ることができる素材の量が異なります。戦闘中でも帰還できるので、現在のバトルに負けそうになればその場で撤退することが基本となります。
- ・キャンプに到達時に探索を終了→集めた素材をすべて持ち帰ることができる
- ・上記以外の任意のタイミングで探索を終了→集めた素材の6割を持ち帰ることができる
- ・探索中に死亡する→集めた素材の3割を持ち帰ることができる
また、一定数カードを配置するとボスが出現します。ボスを倒すことでレアな素材の獲得やトレイトのアンロックが可能です。ボス攻略後も冒険を続けることができるので、何周できるか挑んでみたり、ひたすらアイテム収集を続けてみてもよいかもしれません。
■建築パート
建築パートでは探索パートで獲得した素材を用いて、村の施設を整えます。倉庫や図書館、墓場や見張り台等を建築することで探索パートがより有利に進めることができるようになります。具体的には新しいクラスの開放や、ポーション等の探索パートに持ち込み可能な物資の作成、キャンプの性能向上や初期装備の獲得といった恩恵を受けることができます。
また素材を使うことで作成した物資を探索パートに持ち込むことができます。物資は特定の敵に与えるダメージの増加や体力回復効果の増加といった効果を持ちます。1つ1つの効果は微弱ですが、アンロックを進めることで多数の物資を持ち込むことができるようになるため、攻略には欠かせません。
最初はクラス(ジョブ)は1種類しか使うことができませんが、合計3種類のクラスが用意されています。クラス毎に出現する装備やトレイトが異なるため、それぞれ違った楽しみ方を遊ぶことができます。
1週30分程度、クリアまでは15-30時間程度です。隠しボスも用意されているため、やり込み要素込みで35-50時間程度は楽しめると思います。
おすすめポイント
・奥が深いループの世界
メインとなる探索パートでのプレイヤーの操作は、装備の変更・マップへのカードの配置・撤退の判断の3つのみですが、常に沢山の判断を迫られることとなり非常に忙しい作品です。難易度は高めで、考えなしにカードを配置してもクリアは到底かないません。
クラスやデッキ、トレイトの選択は勿論、カードを配置するタイミングや場所によって大きく結果が異なってくるため、プレイヤーの判断力や経験が常に求められます。装備についても、回避能力に全振りして回避を狙う、防御力や自動回復特化にするなど、ただ単にパラメーターの良い装備を選ぶ以外の選択肢があるため、奥が深いです。
トレイトの効果が非常に強力なため、敵を多めに出現させて経験値を稼ぐことが攻略のキモとなりますが、出現させすぎると道中でやられてしまうので、調整の塩梅にも悩まされます。キャンプに帰ってくるたび、もう1ループできるかこのまま退却するかを悩むこととなるのですが、この判断が意外と難しく、中盤以降は駆け引きの緊張感を楽しむことができます。
また、カード同士を隣接させることでシナジーが発揮されることがありますが、ルールの説明は最低限しかなされないので、プレイヤー自身が効率のいい強化方法や隠されたシステムを手探りで探っていくこととなります。最初は難しいですが、試行錯誤と素材を集めるうちに徐々にループ回数が増えていき、主人公とプレイヤー自身の成長を肌で実感できるため、クリアできなくてもついついリトライしてしまいます。
ローグライク形式ではありますが、死んでしまっても持ち帰ることができる素材が10%となるだけで、デスペナルティは控えめです。どんな場面でも死ぬ直前に冒険を切り上げて60%の素材を持ち帰ることができる点がありがたいです。また、時間をかけて拠点の建物を強化することで、確実にクリアできるようになる点も高評価でした。
このゲームに向いている人・向いていない人
こんな人におすすめ
・試行錯誤や強化素材を集めることが好きな人
・バトルシミュレーションが好きな人
持ち込むカード・素材の選択や、地形を設置するタイミング・場所によってその後の展開が大きく変わるため常に選択の連続です。どちらかというとシミュレーションやタワーディフェンスのようなゲームシステムで、ステージクリアには各カードの特性やゲームシステムをよく把握する必要があります。
試行錯誤を重ねてゲームシステムを解き明かしたり、効率的な強化方法を見つけたり、地道に素材をかき集めてボスの討伐を目指すことが楽しい点なので、これらの要素が好きな人にはお勧めできる作品だと思います。
一方で、以下の人にはおすすめできないです。
・飽き性の人
・派手なゲームを求める方
ステージは4つしか用意されておらず、1つのステージにクリアするために何度も周回を求められるようなゲームシステムです。ある程度の稼ぎプレイが必須の難易度設計となっており、時にはクリア後のステージに戻って素材稼ぎを行うこともあるため、飽き性の人にはお勧めできないと思います。
また、基本操作は地形の配置と装備の変更の2つのため、敵とのバトルを楽しみたい人にもお勧めできないかもしれません。操作自体はマウスでドラッグ&ドロップを延々と繰り返すだけで非常に地味です。エフェクトも最小限で、どのステージ・ボスに挑んでも延々と代り映えしない風景を眺め続けることとなるため、派手なゲームを求めている人にはお勧めできないと思います。
ここに注意!
序盤は使用可能なカード・クラスの数が少なめで、素材回収やアンロックのために同じ構成で同じダンジョンに何回か挑む必要があります。また、探索パートではカードの配置と装備の変更しか操作はありませんが、どちらも頻繁に発生するため、放置や別の作業をしながらのプレイは難しいです。
Undo コマンドが無いため、一手の操作ミスが致命的になることがある点が(仕方ないのかもしれませんが)やや残念でした。
類似のゲーム
Dungeon Warfare1,2・・・ややゲーム性は異なりますが、タワーディフェンスゲームです。紹介は1,2。
総括
探索パートと建設パートを繰り返して4つのステージのクリアを目指すローグライク・シミュレーション RPG です。主人公は自動的に探索と戦闘を行うので、プレイヤーは主人公を強化するべくマップへカードを配置・装備の変更を行います。ステージ数が少ない点、アンロック要素が多く周回前提の難易度設計である点がやや気になりましたが、プレイヤーの介入要素が多く、クラスや使用するカードによって様々な展開になるため、飽きずに何度も遊べる点が楽しめました。ゲームシステムを紐解くことが好きな人や素材を地道に集めてボスを倒すことが好きな人にはお勧めできる作品だと思いますが、人を選ぶ部分はあるため、プレイ動画などを確認の上で購入することをお勧めします。
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