こんにちは、ちゃぶ台です。
今回は イリスと巨人 というローグライク×カードバトルの紹介を行います。イリスという少女が心の中に潜む悪魔達と対峙し、自分の殻を破って成長していく物語です。可愛らしくもユニークなグラフィックとパズル要素を盛り込んだ独特なカードバトルが特徴の作品です。カードバトル系作品や詰将棋的なパズルゲームが好きな人にはお勧めできる作品なので気になった人は是非遊んでみてください。
それでは早速紹介していきます!
概要
タイトル | イリスと巨人(Iris and the giant) |
対応機種 | PC, Nintendo Switch, IOS |
価格 | 1,840円(Steam, Switch), 730円~(IOS) |
プレイ人数 | 1人 |
言語 | 日本語対応 |
ジャンル | カードバトル / ローグライク |
開発元 / 発売元 | Louis Rigaud / Goblinz Publishing, Maple Whispering Limited, Mugen Creations |
一言 | 内なる声が強すぎる問題 |
ストーリー
プレイヤーはイリスとなって、空想の世界で自身の恐怖に立ち向かいます。独特のミニマリスト的アートスタイルのゲームを進めながら、少女が内なる悪魔に立ち向かい、怒れる巨人をなだめる感動的な物語を追いましょう。
こんなゲーム
ローグライク形式のカードバトル作品です。プレイヤーのイリスを操り、イリスの心の中に潜む悪魔達を退治しに行きます。ローグライク形式なのでデッキは毎回最弱状態で始まり、出現する敵の並びはランダムです。
各ステージでは 2(~4)×3のマスに敵や障害物が立ち塞がります。ターン制のカードバトルでそれらの敵を倒しながら先に進み、奥にある階段に辿り着くことで次のステージに進むことができます。
自分のターンではデッキから4枚になるまでカードをドローし、手札からカードを消費して敵への攻撃や体力の回復等を行います。大きな特徴として、カードは全て使い捨てであり、敵を攻撃すると全ての敵を一撃で倒すことができます。ただし、鎧を着ている敵は鎧をはがすために追加でもう1回攻撃する必要があります。
連続で使用できるカードもありますが、基本的にはカードを1枚使うと相手のターンとなります。相手のターンは最前列にいる敵がこちらに攻撃してくる他、敵を倒して最前列が空いているマスには敵が後ろから前の列に詰めてきます。敵にも個別の特殊能力があり、最前列にいなくてもこちらを攻撃してくる敵、周りの敵の鎧を復活させる敵敵、攻撃時にプレイヤーのデッキのカードや体力の最大値を奪う敵などが存在します。敵毎に特殊能力、攻撃力、行動パターンは固定なので、慣れると次の相手のターンに何が起きるかを推察することが可能です。
主人公の意志(体力)かデッキのカードが無くなるとゲームオーバーとなってしまいます。カードは獲得する手段が多数あるため、無理に節約する必要はありませんが、効率の悪い使い方をしていると足りなくなる絶妙な難易度になっています。
道中では宝箱が配置されており、開くと中からカードを選択し、デッキに加えることができます。後述のアップグレード等との兼ね合いを考慮しながら慎重に選択しましょう。
ボスを倒したり、敵を一定数倒すことで追加のカードを入手出来たり、プレイヤーを強化することができます。同じ種類のカードを1ターンに複数回使えるようになったり、攻撃範囲が広がったりと様々な恩恵を受けることができるので非常に重要です。
ゲーム内ではイマジナリーフレンドという仲間や想い出というアンロック要素、次回ゲームでの特典を入手することができ、それぞれ次回以降の冒険に持ち込むことができます。いずれもダンジョンの探索が有利になるので、冒険を進めれば進めるほど先に進みやすくなる設計となっています。
難易度はイージー・クラシック・ナイトメア(クリア後に解禁)の3つが用意されています。一周は 60 – 90 分程度です。いくつかのアンロック要素等が存在しますが、この手のゲームにしてはやややりこみ要素は少なめだと感じました。
おすすめポイント
・詰将棋のような戦略性
カードバトル系の作品ではありますが、実態はパズルゲームのような所感です。敵の位置と手持ちのカードの組み合わせを考慮して最善手を検討しながら敵を倒して、デッキを強化しつつ先に進んでいきます。
カードは使い捨てでデッキが無くなってしまうと体力が残っていてもゲームオーバーとなる、階段に辿り着けばボスや敵を無視して次のステージに進むことができる、最前列の敵しか攻撃してこないといったシステムを考慮しながらカードを使う順番は勿論、敵を倒す順番、宝箱から得るカードとアップグレードの選択、次のステージに進むタイミングなど様々な判断を下していきます。一手のミスが大きくその後の展開を左右することが多く、常に緊張感のある戦いを楽しむことができます。
敵を倒してスターを稼ぎたいけれど無理をして稼ぐとデッキが消耗してしまったり、強力なカードばかりを使っているといつの間にか手札が弱いカードばかり残ってしまったりと苦しいシーンが何度も出現しますが、その分上手く切り抜けられた時の達成感はたまりません。
最初は非常に難しいように感じられますが、プレイを重ねてプレイヤーの知識や経験、想い出によるアップグレードを得ることでどんどん先に進めるようになるため、プレイヤー自身が成長していく楽しさを得ることができました。
・特徴的なアートワーク
水彩画のような色合いで描かれる独特なタッチのイラストが特徴的です。幼少時代に誰しもが一度は抱えたことのある、上手く言葉にできない、もの悲しい感情が淡い色合いで描かれています。やや暗い展開が続くストーリーですが、イリスが冒険を通じて成長していく過程は温かみがあり、見ていて元気が湧いてきました。
このゲームに向いている人・向いていない人
こんな人におすすめ
・カードバトル / パズルゲーム系の作品が好きな人
特徴的なゲーム性ではあるものの、シンプルで取っつきやすいため、プレイの敷居は低いです。カードの特性を理解し、敵の配置に併せてカードを使い分ける必要があるため、パズルゲームのような楽しさがあります。プレイ毎にデッキや敵の配置、恩恵が異なり展開は無限大なため、カードバトル・パズルゲームが好きな人にはお勧めできる作品だと思います。
一方で、以下の人にはおすすめできないです。
・暗いストーリーが苦手な人
・周回要素が苦手な人
主人公は現実世界で友達や家族と上手くコミュニケーションが取れず、つらい思いを沢山抱えています。友達にいじめられたシーンや父親との衝突のシーン等、陰鬱な回想シーンを沢山見ることとなるためやや気が滅入ってしまうかもしまいません。そのため、暗いストーリーが苦手な人にはお勧めできないかもしれません。
また、基本的に周回による恩恵が大きく、ストーリークリアにはある程度(3周以上)の周回が前提となります。カードの種類やアップグレードの数は多くはないので、飽きやすい人にはお勧めできないかもしれません。
ここに注意!
視点がやや斜めのため、画面奥のキャラクターやマスについての操作ミスが誘発しやすいような設計となっている点が少し残念でした。
ラスボスについて(ネタバレ回避のため反転しています。)
ラスボスはイベント戦となりこれまでとは一風変わった戦闘となります。ストーリー的には納得ですが、個人的にはやや達成感を感じにくく、やや物足りなさを感じました。
類似のゲーム
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総括
ターン制のローグライク×カードバトル作品です。主人公のイリスを操り、敵の配置や能力と手札のカードを見比べながら順番に敵を倒していきます。可愛らしくもユニークなグラフィックとパズル要素を盛り込んだ独特なカードバトルが特徴で、組み合わせが無限大の詰将棋のような中毒性を持ちます。
カードバトル系作品は勿論パズルゲームが好きな人にもお勧めできる作品なので、気になった人は是非遊んでみてください!
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